高卒資格と高卒認定、どっちを選ぶ?目的別の選び方を解説

高卒資格と高卒認定のどちらを選ぶか迷っている様子のイメージ Q&A

「高卒資格と高卒認定、結局どっちを選べばいいの?」

これから高卒を目指そうとすると、まず迷うのがこの2つの選択肢ではないでしょうか。

名前は似ていますが、高卒資格と高卒認定は別のものです。そして、どちらを選ぶべきかは、取得したあとに何をしたいかによって変わります。

この記事では、文部科学省の公式情報と私自身の経験をもとに、就職・進学・費用・学習方法など、目的別の選び方を解説します。

自分にはどちらが合っているのか。読み終えるころには、判断するための材料がそろうはずです。

※制度や金額は、2026年10月時点で文部科学省およびN高グループの公式情報を確認した内容です。

目的別の早見表で先に結論

高卒資格と高卒認定のどちらを選ぶかの目的別早見表

先に結論です。

高卒資格と高卒認定のどちらが向いているか、目的別にまとめました。
最終学歴を「高卒」にしたいなら高卒資格。進学が目的なら高卒認定も選択肢になります。

あとは、取得までの期間・費用・学習方法を比較して、自分に合う方法を選びましょう。

目的・状況おすすめの選択肢
最終学歴を「高卒」にしたい高卒資格
大学・専門学校への進学が目的どちらでもOK
できるだけ早く、安く取得したい高卒認定を優先して検討
働きながら高校を卒業したい高卒資格(通信制高校など)

大切なのは、どちらが優れているかではなく、自分の目的に合っているかどうか。

ここからは、それぞれの選び方を詳しく説明します。

高卒資格と高卒認定の違いを30秒で解説

高卒資格と高卒認定の違い 最終学歴になるかどうか

まずは、2つの違いを簡単に確認しておきましょう。

高卒資格とは

高卒資格は、高校を卒業することで得られる学歴です。

全日制・定時制・通信制のいずれであっても、卒業すれば「高校卒業」の学歴が得られます。

高校卒業には、原則として3年以上の在籍や74単位以上の修得など、所定の卒業要件を満たす必要があります。

高卒認定とは

高卒認定は、正式には「高等学校卒業程度認定試験」といいます。

文部科学省が実施する試験で、合格すると高校卒業者と同等以上の学力があると認められます。

大学・短大・専門学校などの受験資格を得られるほか、就職や資格試験にも活用できます。

ただし、高卒認定に合格しても、最終学歴は高卒になりません。

ここが最も重要な違いです。

高卒資格と高卒認定の比較表

比較項目高卒資格高卒認定
得られるもの高校卒業の学歴高卒程度の学力の認定
最終学歴高卒になる高卒にはならない
取得方法高校を卒業する認定試験に合格する
期間原則3年以上の在籍合格までの期間は個人差あり
費用学校・コースによる受験料4,500〜8,500円+学習費用
進学大学等を受験できる大学等の受験資格を得られる

※高卒認定試験は原則年2回実施されます。高校中退者が編入学する場合などは、以前の在籍期間や修得単位が考慮されることがあります。

目的別|高卒資格と高卒認定の選び方

高卒資格と高卒認定の目的別の選び方

ここからが本題です。

「結局、自分はどちらを選べばいいのか?」

目的ごとに考えていきましょう。

最終学歴を「高卒」にしたいなら高卒資格

最終学歴を高卒にしたいなら、高卒資格を選びましょう。

高卒認定は、あくまで高校卒業者と同等以上の学力を認定する制度です。

そのため、「履歴書に高校卒業と書きたい」「高卒の学歴を取得したい」という人は、高校を卒業する必要があります。

私が通信制高校を選んだ理由のひとつも、これでした。

就職のために、最終学歴を高卒にしたかったからです。

ただし、高卒認定でも応募できる求人はあります。

「高卒以上」と書かれた求人での扱いは企業によって異なるため、希望する仕事が決まっている場合は、応募条件を確認しておきましょう。

進学が目的なら高卒認定も選択肢

大学や専門学校への進学が目的なら、高卒認定も有力な選択肢です。

高卒認定に合格すると、大学・短大・専門学校などの受験資格を得られます。

高校に3年間在籍する必要がないため、学習状況によっては、より短い期間で受験資格を取得できる可能性があります。

ただし、注意点が2つあります。

  • 年齢の条件がある: 18歳未満で合格した場合、大学入学資格の効力が生じるのは原則として満18歳の誕生日からです。受験する年度内に18歳になる場合は、大学受験が認められます。
  • 進学先の入試は別: 高卒認定は大学等の受験資格を得る制度であり、合格すれば大学に入学できるわけではありません。

志望校が決まっている場合は、募集要項で出願条件を確認しましょう。

「大学へ進学したい」のか、「最終学歴を高卒にしたい」のか。

この2つは、似ているようで目的が違います。

できるだけ早く、費用を抑えたいなら高卒認定

取得までの期間や費用を重視するなら、高卒認定がおすすめです。

取得までの期間

高卒認定試験は、原則として年2回実施されます。

高校のように3年間在籍する必要はなく、必要な科目に合格すれば認定されます。そのため、学習状況によっては短期間で取得することも可能です。

取得にかかる費用

高卒認定試験の受験料は、受験科目数によって異なります。

受験科目数受験料
1〜3科目4,500円
4〜6科目6,500円
7科目以上8,500円

※2026年度から試験科目に「情報」が追加されています。受験する際は、最新の科目構成を確認してください。

独学なら費用を抑えやすい一方、参考書や塾・講座などを利用する場合は、別途費用がかかります。

できるだけ早く、費用を抑えて大学などの受験資格を得たい人には、高卒認定が有力な選択肢です。

ただし、高卒認定に合格しても最終学歴は高卒にならないため、取得する目的を確認しておきましょう。

働きながら学び直したいなら

働きながら取得を目指す場合は、主に次の2つの方法があります。

・高卒資格: 通信制高校に通い、卒業を目指す

・高卒認定: 独学や講座などで勉強し、認定試験の合格を目指す

どちらが合うかは、取得する目的だけでなく、自分がどんな環境なら勉強を続けられるかによっても変わります。

私の場合は、通信制高校を選びました。

理由はシンプルです。強制力がないと、勉強を続けられる自信がなかったからです。

国家資格や採用試験を受けたいなら

国家資格や公務員試験などが目的なら、受けたい試験の条件を先に確認しましょう。

文部科学省は、高卒認定の合格を高校卒業と同等とみなす採用試験・国家資格の一覧を公開しています。

例えば、国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)や税務職員採用試験などが掲載されています。

ただし、一覧に掲載されていても、年齢や実務経験など、別の受験条件が設けられている場合があります。

必要なのが「高校卒業の学歴」なのか、「高卒認定の合格でも満たせる受験資格」なのか。

ここを確認してから選べば、不要な遠回りを避けられます。

選ぶ前に確認したい3つのこと

高卒資格と高卒認定を選ぶ前に確認したい3つのこと

ここまで読んでも、まだ迷っている人はいると思います。

そんなときは、次の3つを順番に紙に書いて確認してみてください。

① 取得したあと、何をしたいのか

まずは、高卒資格や高卒認定を取得したあとに、何をしたいのかを考えてみましょう。

大学進学、就職、転職、資格取得など、目的によって必要なものは変わります。

私の場合、目的は就職でした。

働きたいと思った求人があっても、応募条件は「高卒以上」。学歴が理由で応募できないことが何度もありました。

だからこそ、最終学歴を「高卒」にしたかった。

それが、私が高卒認定ではなく、高卒資格を選んだ理由です。

② 希望する進路に必要な条件は何か

目的が決まったら、次はその進路に必要な条件を確認しましょう。

・就職・転職:求人の応募資格

・進学:志望校の出願条件

・資格取得:試験の受験資格

ここで大切なのは、高卒資格が必要なのか、高卒認定でも条件を満たせるのかを確認することです。

私の場合は、最終学歴を「高卒」にしたかったため、通信制高校を選びました。

一方、大学進学だけが目的だったら、高卒認定を選んでいたかもしれません。

同じ「高卒を目指す」でも、目的によって選ぶべき方法は変わります。

③ 取得までに使える時間とお金はどれくらいか

最後は、現実的に続けられるかどうかです。

特に社会人の場合、仕事や家庭と両立できることは重要な条件になります。

参考までに、私が通信制高校に通っていたときの状況を紹介します。

比較項目高卒資格(通信制高校)高卒認定
費用私立と公立で大きく変わる。3年間で数十万〜100万円以上受験料4,500〜8,500円+教材費など
学習時間レポート・スクーリング・試験など。必要科目の試験対策。学力や科目数によって異なる
取得までの期間原則3年以上試験は年2回。必要科目に合格すれば短期間での取得も可能

※通信制高校の費用は学校・コース・就学支援金の適用状況によって異なります。編入・転入の場合、以前の在籍期間や修得単位が認められることもあります。

私が通っていたS高のネットコースでは、就学支援金も利用して3年間で概ね20万円ほどでした。
学習時間は週20時間弱。平日は仕事のあと、休日はまとまった時間を使って勉強していました。

一方、高卒認定は受験料を抑えられ、高校に3年間在籍する必要もありません。ただし、合格までに必要な勉強時間は、現在の学力や受験科目数によって変わります。

費用や期間だけでなく、自分の生活に合った学習方法かどうかも含めて比較しましょう。

高卒資格と高卒認定についてよくある質問

高卒資格と高卒認定についてのよくある質問
Q

高卒認定に合格すると、最終学歴は高卒になりますか?

A

いいえ、なりません。

高卒認定は高校卒業者と同等以上の学力を認定する制度であり、高校を卒業した学歴が得られるわけではありません。

最終学歴を高卒にしたい場合は、高校を卒業する必要があります。

Q

高卒認定は就職で不利になりますか?

A

企業によって異なります。

文部科学省の令和5年度調査では、高卒認定合格者を採用試験で「高卒と同等」と扱う企業は32.8%でした。一方、53.0%は「応募者がおらず、扱いを決めていない」と回答しています。

Q

社会人でも取得できますか?年齢制限はありますか?

A

どちらも社会人が取得を目指せます。

高卒認定は、受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が対象で、年齢の上限はありません。ただし、すでに高校卒業などの大学入学資格を持っている人は受験できません。

Q

履歴書にはどう書きますか?

A

取得した資格によって記載方法が異なります。

高卒資格:「〇〇高等学校 卒業」
高卒認定:「高等学校卒業程度認定試験 合格」

高校を中退した場合は、その経歴も正しく記載しましょう。

Q

高卒認定に合格してから、高校に入り直せますか?

A

できます。高卒認定の合格は、高校への入学や編入を妨げるものではありません。「まず高卒認定を取り、あとから最終学歴を高卒にしたい」という進み方も可能です。

まとめ|自分の目的で選ぼう

高卒資格と高卒認定のまとめ 自分の目的で選ぶ

高卒資格と高卒認定は、取得する目的によって選び方が変わります。

目的別の選び方
  • 最終学歴を「高卒」にしたい→高卒資格
  • 大学・専門学校への進学が目的→どちらでもOK
  • できるだけ早く、安く取得したい→高卒認定を優先して検討
  • 働きながら高校を卒業したい→高卒資格(通信制高校など)

どちらが正解、ということはありません。大切なのは、自分の目的に合っているかどうかです。

私は高卒資格を取ってから就職でき、自分に自信が持てるようになりました。ただ、高卒資格も高卒認定も、あくまで自分の目的をかなえるための手段です。大事なのは、その先にあります。

「今さら」と思っている人も、その先にある自分の世界を、どうか諦めないでください。

※制度・費用などの情報は2026年10月時点の内容です。最新情報は文部科学省や各学校の公式サイトをご確認ください。

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